自分で行う建物表題登記申請について簡単に解説します。面倒な部分もありますが、手順にどおりに書類を作成すると、だれでも建物表題登記をすることが出来ます。
支払うのは、法務局へ支払う手数料(登録免許税)だけで済んでしまうなら、自分でやらないのは絶対に損ですよ! 自分で作成提出すれば激安ですよ。
申請書はエクセルファイル(無料)に必要事項を記入するだけで簡単に作成することが出来ます。少しだけ頑張って図面を作成することが出来れば誰でも建物表題登記を行えます。
作成する書類は申請書と図面の2つだけで、それ以外の書類は建築確認申請を作成した業者からもらうものと、役所から取得する書類のみです。簡単に自分で建物表題登記を作成できるような気がしてきたでしょ!!
さあ、頑張って作成しましょう。
建物表題(表示)登記について
1 事前調査
書類等と現地の整合性等の事前調査を行います。
- 管轄の法務局で土地の登記簿(登記事項証明書)、公図(地積測量図)を申請しましょう。
- 現地を確認し公図と同じであるか確認します。
- 実際には住んでいないかもしれませんが、登記後に登記簿に記載してある住所を変更するもの面倒な方は引渡し前(完成前)でも建物の地番に住所を変更しましょう。
(ご自分の判断で行いましょう。んっー??)
2 各種書類、証明書等の準備
建物表題登記に必要な書類を業者等から集めます。
□所有権証明書
1 建築確認済証(担当の設計事務所、ハウスメーカーから貰いましょう。)
2 建築確認申請書(担当の設計事務所、ハウスメーカーから貰いましょう。)
3 建築確認完了検査済証(担当の設計事務所、ハウスメーカーから貰いましょう。)
4 建物引渡証明書(建設したハウスメーカー等から貰いましょう。)
・ 登記申請様式(エクセル)に様式を用意しました。
※所有権証明書は上記の 1、2、3 を使用するか 1、2、4 の組み合わせのどちらかを使用します。
□住所証明書
- 住民票
※住民票コードはマイナンバーとは別ですので、住民票を取得する際に選択し申請すると住民票コードが記載された住民票を取得出来ます。
※各法務局によっては、提出する書類の組み合わせや要求書類が若干違う場合がありますので、事前に法務局にお問い合わせした方が確実です。
3 案内図の作成
提出する申請書に添付する建物の案内図を用意します。
- グーグルマップでも大丈夫の様ですが住宅地図などが最適です。
(取壊しを行った業者などから住宅地図の写しを貰いましょう。) - 案内図の建物があった場所へ赤のボールペン等で印を付けます。
4 建物表示登記申請書の作成
法務局に提出する申請書を作成します。
- 用紙はA4の通常のコピー用紙で大丈夫です。
- エクセル形式で建物表題(表示)登記申請書の様式を用意しましたので説明を確認し訂正しながら記入してください。
- 記入内容(建物の面積、地番等)は登記簿謄本に書かれているとおりに記入してください。
5 建物表示登記申請書に添付する図面の作成
作図 手書きでの登記図面の作成準備
準備するもの
- 製図用ペン(ロットリングなどがよいですが結構な値段がしますので、似たようなもので安いペンもあるので文具店で店員さんに聞いてみましょう。)
- 製図用の定規(三角定規の2枚セット)
- 用紙(コピー用紙でもよいが、日本法令の用紙(日本法令98)がありますので文具店で聞いて見ましょう)コピー用紙でもよいと言う噂もありますが強靭な用紙を用いる事のようですので日本法令98を使用するのが無難です。
作図 CAD(パソコン用製図ソフト)で登記図面の作成
準備するもの
- パソコン
- Jw_cad(Jw_cad公式HP(フリーソフト)こちらからダウンロードしてインストールしてください。)
- 日本法令の用紙(日本法令98)を使用する場合は枠の部分を非表示にして印刷してください。表題登記を行う方は購入したほうが良いです。(印刷がずれた場合は申し訳ありませんが自分で修正してください。)
Jw_cadのファイル形式で建物表題(表示)登記図面の様式を用意しましたので参考にしてください。 表題登記用の図面枠もありますので普通紙の提出を受け付ける法務局の場合はそのまま印刷して使用できます。
図面の作成(手書き&CAD共通)
※建物の図面を作成する場合、建築確認申請書と不動産登記の図面では面積等の算定方法が違いますのでご注意ください。
不動産登記上床面積に参入されないものとして、玄関ポーチ、ベランダ、出窓等があります。詳細はご自分で検索して作成しましょう。
1 建物の家屋番号は空欄とします。(後日、登記官が定めます。)
2 土地の所在を記入します。 土地の地名地番を記入します。
3 土地の縮尺を記入します。 配置図の縮尺は1/500で作成します。敷地が大きすぎて入りきらない場合は1/1000で作成する場合もあります。
4 方位の記入は用紙上方向に北が向くように作成します。
5 用紙右側に建物1階の形状、敷地の形状を記入し、隣地との境界までの距離(m単位)、隣接する地番、敷地境界から建物までの距離、道路がある場合は道路等を記入します。
6 用紙左側に、各階平面図の縮尺を記入します。 通常は1/250で作成しますが入りきらない場合は縮尺を変更してもよいでしょう。
7 各階別の形状、建物周囲の長さ、求積表を記載します。
2階の平面図には1階の形状を点線で記入します。(形状が違う場合)
8 申請人の氏名、作成者の住所氏名、作成年月日を記載し押印します。
※建物図面は山折にしてB5の大きさにして添付しましょう。
図面作成例をPDFファイルにしましたので参考にしてください。
手書き用の用紙枠(PDF-B4)はこちら。
建物表題登記参考図面その2(サンプル図)
図面の盗用などが有りましたので、オリジナル図面を追加しました。
基準線などが有りますので、最初から作図するよりは簡単に作成出来ます。
JWCAD形式で上記の建物表題登記サンプル図をダウンロードする。
PDF形式で上記の建物表題登記サンプル図をダウンロードする。
6 登記申請書の綴り方(とじ方)、用紙の順番
法務局へ提出する登記申請書を綴って提出します。
① 提出する書類をまとめます。
・登記申請書
・案内図
・住所証明書(写し)
・所有権証明書
[建築確認済証(写し)、建築確認申請書(写し) 建築確認完了検査済証(写し) 又は 建物引渡証明書]
の順に綴ってホチキスで留めます。建物図面はクリップで留めましょう。
※建築確認申請書の写しは図面は不要です第1面から第5面までを添付しましょう。
住所証明書(写し)、建築確認済証(写し)には「原本に相違ありません。 年月日 住所 氏名 押印(登記申請書と同じ印)」と記載し原本を還付しましょう。
※住所証明書(住民票)は簡単に取得できますが確認申請書は大事に保存しておきたいので必ず還付請求をしましょう。
② 還付申請の書類は茶封筒などにまとめて添付しましょう。
建築確認済証(原本)、建築確認申請書(原本)、建築確認完了検査済証(原本)、を添付して提出します。(図の様にクリップで留めて提出してください。)
建物表示登記には、登録免許税が課税されませんのでそのまま提出してください。(無料)
7 登記申請書の提出
□持参して提出
- 登記申請書一式を管轄の法務局へ行き提出しましょう。
- 何日程度で登記が完了するか登記官より確認し、電話連絡をいただける場合は登記完了時に連絡してもらうようにしましょう。
□郵送で提出
- 郵送する前に提出する法務局へ電話で添付書類、押印の有無、申請書に記載する提出月日等に不備がないか確認しましょう。
- 郵送する場合には封筒の表に「不動産登記申請書在中」と記載し、書留郵便にて送付しましょう。
- 郵送での申請の場合は返信用の封筒に切手を貼って同封することも忘れずに。
8 完了
□持参して提出した場合
- 登記が完了した旨の電話連絡又は登記完了予定日以降自に法務局へ電話をして登記完了済みかを確認します。
- 登記が完了した場合は登記申請書に押印した印を持参して取りに行きましょう。(本人以外の場合は委任状、身分証明書等が必要になります。)
- 登記済証(登記完了証)を受け取りすべて終了です。
□郵送で提出した場合
- 記載ミス等がなければ10日ぐらいで登記済証(登記完了証)が送られてきますのでそれを受け取り終了です。